なのはEXCEEDS、どこから見る?——20年で枝分かれしたシリーズの地図を描く

今期の『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』を見たい。でもシリーズも劇場版もコミカライズも多すぎて、どこから手をつければいいのか分からない。二人がまずシリーズ全体の地図を描き、そのうえで「迷ったらこの順で見て」と言い切れる標準ルートを1本に決めきる。前提に要らない作品も、それぞれが何を持った作品なのかまで添えて。


莉緒
莉緒
みずきさん、お便りありがとう!たしかにこれ、2004年からもう20年以上続いてるシリーズだから、迷子になるのは当然だと思う。まずTVシリーズと劇場版、二つの流れがあるってところから話そっか。
葉月
葉月
うん、みずきさんからお便りもらってて、こう書いてあったんだ。『今期の「魔法少女リリカルなのはEXCEEDS」を見たいんだけど、シリーズも作品数もコミカライズも多すぎて、どこから手をつければいいのか分からない…。時系列を追って、何から見ればいいか教えて!』って。20年分も積み重なってたら、どこから触ればいいか分からなくなるの、あたしもすごく分かるよ。みずきさん、こういう質問くれて嬉しいな、ちゃんと答えたいや。
莉緒
莉緒
整理すると、大きく二つの流れがあるんだよね。ひとつはTVアニメで、無印から始まってA's、StrikerS、ViVidって続いてきた本流。もうひとつが劇場版シリーズで、The MOVIE 1stと2nd A'sがTVの第1期・第2期を別解釈で作り直したリメイクなの。
葉月
葉月
うん、そこから先が肝心なんだよね。1stと2nd A'sでTVの話を一旦作り直したあと、劇場版はそこで終わらずに続きを作ってて。『Reflection』『Detonation』っていう、TVアニメ第2期の2年後を舞台にした完全オリジナルの話に分岐してるの。ここで初めて『TVの続き』じゃなくなるんだよね。
莉緒
莉緒
そう、それでね、今期の『EXCEEDS』はまさにその分岐した劇場版の世界の続きなの。『Reflection』『Detonation』から3年後が舞台で、TVシリーズの『StrikerS』とは別ルートを進んだパラレルな未来なんだよね。だからTVの続きを追わなくても、EXCEEDSにはちゃんと繋がるってこと。
葉月
葉月
だからTVシリーズの無印からA's、StrikerS、ViVidまでは、EXCEEDSに追いつくだけなら通らなくていいんだと思う。あれは劇場版とは別の世界線を20年かけて育ててきた本流だから、前提に入らないってだけなんだよね。無印にはシリーズの原点そのものの空気があって、A'sは絆を巡る話としての完成度がすごく高くて、StrikerSは十年後を描く群像劇として全然違う面白さがあって、ViVidは次の世代の成長物語になってる。前提じゃないってだけで、どれも独立して見る価値がある作品たちなんだよ。
莉緒
莉緒
それ、すごくわかる。あとついでに言うと、ViVidから枝分かれしたスピンオフの『ViVid Strike!』と、雑誌休刊で未完のまま終わった『魔法戦記リリカルなのはForce』も同じ扱いだと思う。ViVid Strike!は主人公のなのはが出てこない格闘ドラマで、Forceはダークな路線が好きな人には刺さる作品。どっちもTV系列だからEXCEEDSの前提には入らないけど、それぞれ独立した味を持ってるんだよね。
葉月
葉月
じゃあ本題に入ろっか。標準ルートは『Reflection』『Detonation』、そして今期『EXCEEDS』の3本で決まってるんだけど、1stと2nd A'sはあえて外してるの。あの2本はTV第1期・第2期のリメイクで、EXCEEDSの前提の話には出てこないから。ただ正直言うと、EXCEEDSって久瀬シイナっていう新主人公・新舞台で始まる作りだから、3本すら通らずいきなり見ても筋自体は分かると思うんだよね。
莉緒
莉緒
筋自体は追えると思う。でも久瀬シイナたちが背負ってる『3年前に何があったか』は説明なしで進んじゃうはずなんだよね。ReflectionとDetonationを見てから入ると、その前史が実感として繋がって見えるから、そこが単体で見たときと違う深さになるんだと思う。
葉月
葉月
んー、コミカライズ版の話もしていい?『魔法少女リリカルなのはEXCEEDS』のコミックは2025年4月16日から『水曜日のシリウス』で連載してて、アニメ本編の前日譚と幕間を描いてるんだよね。だから読む順番としては、アニメを先に追ってから読んだほうが筋が繋がって楽しめると思う。先にコミックだけ読んじゃうと、前日譚っていう立ち位置だから背景の実感がまだ薄いんだよね、補完として後回しにするのがいいかな。
莉緒
莉緒
うん、それでいいと思う。前日譚って立ち位置だから、先にアニメで3年前の空気を知ってからのほうが、コミックの一コマ一コマがちゃんと効くもんね。それより、Forceの話もうちょっとしていい?舞台はViVidから2年後の新暦81年でTV系列なんだけど、あれはシリーズの中でも硬派でダーク寄りの空気を持ってた作品なんだよね。
葉月
葉月
んー、Forceは雑誌休刊で未完のまま終わってる作品だから、そこは承知して手を伸ばすものだと思う。きれいに畳まれた話が好きな人には向かないかもしれないけど、シリーズの中でも硬派でダーク寄りの空気を求めてる人には、あれはすごく刺さると思うんだよね。EXCEEDSの前提には入らないから、気になったら本編を見終えたあとに単独で触れるくらいで十分だと思うよ。
莉緒
莉緒
それで決まりだね。ちょっと戻るんだけどさ、さっき言った『久瀬シイナだけで筋も情動も成立する』って話、もう一段疑ってみたいんだよね。ReflectionとDetonationがないと届かないのか、それとも見た人だけがボーナスで感じ取れる差分でしかないのか、そこ切り分けたほうがいいと思う。
葉月
葉月
んー、そこはっきり分けると、筋を理解するのには要らないと思う。3年前に何があったかって部分は、シイナたちの立場としてちゃんと本編の中で説明される作りになってるはずだから、単体で話は成立するはずなんだよね。ReflectionとDetonationを見て変わるのは『分かる』じゃなくて『重みを感じる』のほうで、必須の前提じゃなくて感情の解像度が上がるボーナスの差分、って言うのが一番近い気がする。
莉緒
莉緒
それで筋が繋がった気がする。標準ルートが3本で足りるのは、話を『理解する』のに必要な情報は全部EXCEEDS本編の中で説明される作りだからで、ReflectionとDetonationはその上に『重みを感じる』を積む役割なんだよね。だから1stと2nd A'sやTVシリーズは前提として要らないんじゃなくて、そもそも前提の議論の外にある別枠の作品ってことなんだと思う。
葉月
葉月
うん、『理解する』ための情報と『重みを感じる』ための情報が別の層にあるってことだよね。標準ルートの3本は理解の層を満たすための最小構成で、1stと2nd A'sやTVシリーズはそもそも別の層の話だから、比べて要る要らないを言うものじゃなかったんだと思う。迷ったらまず理解の3本を通して、そこから気になった枝を好きなだけ辿っていけばいいんじゃないかな。
莉緒
莉緒
みずきさん、20年分も積み重なってて迷うのは当然だし、それでも見たいって思ってくれて、こうしてお便り送ってくれたのがすごく嬉しかったよ。まずは『Reflection』『Detonation』『EXCEEDS』の3本で理解の層を満たして、そこから気になった枝は好きなだけ辿ってみて。またどう感じたか聞かせてね、ありがとう!
葉月
葉月
みずきさん、ほんとにありがとう。20年分もあるシリーズに『分からないけど見たい』って正直に言ってくれたの、あたし嬉しかったよ。それがあったから、こうして地図を描き直せたし、あたしたちも改めてこのシリーズの面白さを喋れて楽しかったんだよね。EXCEEDS、楽しんできてね。どう感じたか、また聞かせてほしいな。
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