夏、冷房と除湿(ドライ)はどっちを使えばいいのか──体感と電気代で選ぶ

リモコンの「冷房」と「ドライ」は何が違うのか。仕組みはほぼ同じなのに体感が変わる理由と、電気代の差から、自分の部屋と目的で選べる状態にする。


莉緒

莉緒

運動が好きで、スポーツ・身体科学に詳しい。人から聞いた話より、自分の体で試して 覚えたことのほうが多い。

栞

ガジェットが好きで、電子機器や家電に詳しい。自分で買って分解して、実測して覚えている。 型番と数値で物を覚えていて、カタログ値と自分で測った値のどちらなのかを区別して話す。

莉緒
莉緒
栞、今日帰ってきて部屋クソ暑くて即冷房つけたんだけど、ドライの方が涼しいって言う人もいるじゃん。仕組みはほぼ同じなのに、なんで体感が変わるわけ?
栞
仕組み自体は結構近いんですよ。冷房も除湿も、取り込んだ空気を一回冷やして、水分を結露させて外に出すっていう構造は共通してるらしいんです。ただ除湿には方式が2つあって、弱冷房除湿っていうのは、弱めの冷房運転をずっと続けて湿度を目標値まで下げるやり方なんですよ。この方式だと、下げた空気をそのまま部屋に戻すので、体が肌寒く感じることがあるんですよね。12
莉緒
莉緒
それって結果的にただの弱い冷房を延々かけてるだけってことじゃん。じゃあ寒く感じるのは特別な効果じゃなくて、単純に冷やしすぎなんじゃないの。もう片方の方式は何が違うわけ?
栞
純粋に冷やしすぎ、というよりは狙ってる対象が違うんですよ。弱冷房除湿は湿度を目標値まで下げようとして弱い冷房を続けてるだけなので、室温が下がるのはいわば副作用なんですよね。もう片方の再熱除湿は、室内機の中で一回しっかり空気を冷やして水分を落としたあと、下がりすぎた分をヒーターで温め直してから部屋に戻す方式なので、湿度だけ落として室温はあまり下げない、っていう作りになってるんです。1
莉緒
莉緒
え、温め直すって一手間増えてるじゃん。それって電気代よけいにかかるんじゃないの。除湿の中だと再熱除湿が一番高くて、冷房より高くなることもあるって話、聞いたことあるんだけど合ってる?3
栞
それ、あるサイトで見た話なんですけど、除湿の消費電力は一般的に再熱除湿が一番高くて、次に冷房、そのあとに弱冷房除湿の順になるらしいんですよ。再熱除湿は温め直す分だけ余計に電力を使うので、冷房より高くなる傾向があるって書かれてました。ただこれ、ぼくが自分で測った値じゃなくて伝聞なので、そこは割り引いて聞いてほしいんですよね。3
莉緒
莉緒
じゃあ除湿一択とは言えないじゃん。冷房でも設定温度を1℃上げるだけで消費電力13%くらい下がるって話もあるし、そこ次第で順位変わってきそうじめん。4
栞
設定温度27℃とかまで上げた冷房と、弱冷房除湿を比べたら、順位が入れ替わることは十分ありえるんですよね。環境省の話だと1℃上げるだけで消費電力が約13%、だいたい70ワット下がるらしいので、冷房側の設定次第で弱冷房除湿より安くなる場面も出てくると思うんです。ただ電気代だけで比べると、涼しさの中身が抜けちゃうんですよ。4
莉緒
莉緒
涼しさの中身って、温度が下がる分と湿度が下がる分で別々に効いてるってこと?体感的にどっちの影響が大きいわけ。
栞
別々に効いてるっていう理解で合ってると思うんですよ。湿度が下がると汗が蒸発しやすくなって熱が逃げるので、体温そのものが下がりやすくなるらしくて、目安として湿度が10〜20%変わるごとに体感温度が1℃くらい動くって言われてるんですよね。だから同じ室温でも、湿度側が効いてる分だけ涼しく感じる場面があるっていう話みたいです。
莉緒
莉緒
それだけじゃなくて風も効くじゃん。運動してると分かるけど、風速1メートル増えるだけで体感温度って1℃くらい下がるし。エアコンの風量上げるのも地味にバカにできないと思うよ。
栞
風速1メートルで体感温度が1℃くらい下がるっていうのは、湿度10〜20%分の効きとほぼ同じ規模なので、たしかにバカにできない要素だと思うんです。ただ電気代の話に繋げると、除湿運転には冷房みたいに設定温度をいじる操作自体がない機種が多いんですよね。弱冷房除湿は目標湿度に到達するまで運転を続ける仕組みなので、電気代に効いてくるとしたら目標湿度をどこに設定するかと、風量をどう回すかの2点になるはずなんです。1
莉緒
莉緒
じゃあ結局、早く涼しくしたいなら冷房、じめじめだけ取りたいなら弱冷房除湿、電気代気にするなら冷房の設定上げつつ風量で稼ぐ、って使い分けでいいってことじゃん。
栞
真夏の使い分けとしてはそれで大枠合ってると思うんです。ただ一点だけ、弱冷房除湿とか再熱除湿っていう方式の名前自体、機種によって載ってるかどうか違うので、莉緒の部屋のエアコンが取説でどっちの方式か確認しといたほうがいいと思うんですよね。あと真夏の話からは外れるんですけど、梅雨みたいに外気温が低い日だと、設定温度より外の気温が低くて冷房運転自体が動かなくて除湿できないこともあるらしいので、そこだけ今の話とは分けて考えてほしいんです。1
莉緒
莉緒
取説確認しとくわ。梅雨のほうはまあ今は置いとくとして、真夏はさっきの使い分けで腹落ちしたよ。冷房かドライかで揉めるより、風量とか目標湿度の設定いじる方が地味に効くってのが今日の収穫だわ。
栞
それ、ぼくも今日の話の中で一番大事なところだと思ってて。冷房かドライかの二択で揉めるより、目標湿度をどこに置くかと風量をどう回すかっていう調整の方が、体感にも電気代にも効いてくるんですよね。取説、方式の名前だけでも見といてもらえると、次にその調整の話がしやすくなります。
莉緒
莉緒
あー、そういえばさっき『速く涼しくしたいなら冷房が正解』って話出てたじゃん。それなのにドライだけでめちゃ涼しくなったって体験談もあるの、あれって狭い部屋で長時間つけっぱなしにしてたとか、そういう条件が重なってるだけなんじゃないの。5
栞
そこはぼくも、条件が重なってるだけっていう見方に近いんですよね。畳数も設定湿度も運転時間も投稿ごとにバラバラなので、どの条件が効いたのかをこっちで特定するのは無理があると思うんです。速く涼しくしたいなら冷房が正解っていう前提自体は動かないので、その体験談は参考程度に置いといていいと思うんですよ。5
莉緒
莉緒
それで納得。とにかく速攻涼しくしたい人は冷房一択だし、電気代抑えつつじわっと除湿したい人には弱冷房除湿向いてそうだな。逆に肌寒いの苦手な人とか、再熱除湿の機種で真夏に節電狙う人にはハマんないかもって感じか。付き合ってくれてサンキューな、栞。
栞
こちらこそ、今日は付き合ってくれてありがとうございました。莉緒の分け方で合ってると思うんです。速攻涼しくしたい人と電気代抑えたい人には今日の使い分けが向くと思うんですけど、肌寒さが苦手な人は弱冷房除湿より冷房寄りで考えたほうがよさそうですね。
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