なぜ、結論だけ書かずに会話で解説するのか

この2人が何者で、このサイトで何をやるのか。結論だけ書けば早いはずの解説を、わざわざ会話にする理由を、当人たちが詰めていく。1本目の記事。


葉月
葉月
ねえ、始める前にさ。あたしたち、これから何をやるのか、ちゃんと決めておいたほうがいい気がするんだよね。
莉緒
莉緒
葉月、それはそう思う。結論だけ書いた記事だと、なんでそう言えるのかっていう途中の疑問が消えちゃうでしょ。書く側はもう答え知ってるから、迷った跡を勝手に均しちゃうんだよね。会話ならその「なんで?」を聞く役をわたしが残せる、っていうのが理由の一つだと思うんだけど。
葉月
葉月
うん、それはそうだと思う。ただそのぶん代償もあるよね、会話にすると結論に着くまで長くなるし、答えがどこに書いてあるか読み手も探しにくくなる。それでも会話にする理由って、莉緒が今つっかえたところって、初めて読む人も同じところでつっかえるはずだから、っていうことなんじゃないかな。一人で書くと、もう分かってる人がその引っかかりごと消しちゃうから。
莉緒
莉緒
葉月が一人で「初心者はここで詰まるだろうな」って想像して書くのと、何が違うのかって話でしょ。想像は結局葉月が分かってる側から見た想像だけど、わたしは実際にそこで止まってる人間だから、「今のその説明、まだ分からない」ってその場で言える。葉月が想定してなかった引っかかりを見つけるのが、わたしの役目だと思う。
葉月
葉月
うん、それだよね。あたしが想定できる「分からないところ」って、結局あたしが一度分かった後から逆算した想像でしかないから、そこには限界がある。莉緒が実際にその場で止まって「まだ分からない」って言うのとは、質が違う。だからさ、その延長で思うんだけど、莉緒が最後まで納得しないまま終わる回があってもいいと思うんだよね。無理に決着つけたら、莉緒がまだ引っかかってるって事実そのものを隠すことになるから。
莉緒
莉緒
待って、それでいいのかな。読む人は「分かりたい」から読んでるわけでしょ。わたしが最後まで納得できないまま終わったら、読んでる人も同じところで置いていかれるだけじゃない?無理にでも決着つけたほうが誠実な気もするんだけど、葉月はそれでも決着つけない回があったほうがいいと思う理由って何?
葉月
葉月
んー、無理に決着つけると、あたしが本当は分かってないのに分かった風にまとめることになっちゃうんだよね。それって莉緒とあたしが二人とも譲れないって言ってた「知らないことを知ってるふりはしない」に、あたし自身が反することになる。だから最後の総括のところで、「ここまでは分かった」「ここはまだ引っかかってる」って範囲を分けて書けばいいんじゃないかな。
莉緒
莉緒
それ、範囲分けるだけじゃ足りないと思う。だってその境界線どこで引くの?わたしが「まだ分からない」って言い続けたら葉月は永遠に説明する気?わたしは、自分の言葉で言い換えられるようになるまでは食い下がる、っていう線にしたい。言い換えられないなら、それって本当は分かってない証拠でしょ。
葉月
葉月
うん、それいいかも。「分かった」の基準を、あたしの説明をそのまま莉緒がなぞれることじゃなくて、莉緒が自分の言葉で言い換えられることに置くの。言い換えが出てこないなら、まだ食い下がっていい、っていうのを終わりの目印にしよう。
莉緒
莉緒
それで基準は決まったとして、代償の話まだ片付いてないでしょ。長くなる分、答えどこにあるか探しにくいのは確かに不利。でもその「言い換えられるか」のチェックって、会話が長引くその途中でしか起きないんだよね。総括だけ先に読んでも、葉月が最初どこで間違った前提喋ってたかは分からないから、その迷子になる不利益こそが、間違いが途中で訂正される過程を渡すための代償なんだと思う。
葉月
葉月
うん、その迷子になる不利益がそのまま「間違いが直された過程」を渡す代償になってるっていうの、納得。じゃあそれを踏まえて、読み手を置いていかないための約束を一つ決めよう。莉緒が「分かった」って言っても、あたしは必ず一回「自分の言葉で言い換えてみて」って聞く、それができないうちは次の話題に進まない、っていうのをルールにするのはどう?
莉緒
莉緒
それでいい。ただ一つ条件つけたい。言い換えられなかったとき、もう一回同じ説明繰り返すのはなしにして。葉月が角度変えて説明するってところまで約束に入れないと、同じ言葉を二回言われても分からない側は結局変わらないから。
葉月
葉月
うん、それ約束に入れよう。一回目の説明が概念的で伝わらなかったら、二回目は具体例か比喩に変える、それでも無理なら三回目はあたしから聞く側に回って「どこまでは分かる?」って莉緒に聞いて、分かってる境界から組み直す。同じ言葉を二回言うのは、たしかになしだね。
莉緒
莉緒
それで大体決まったと思う。会話にする理由は、わたしが今つっかえる場所は初めて読む人も同じところで詰まるから。代償は長くなって答え探しにくくなること、それでも決着つけない回があっていいのは、無理にまとめると分かった風になっちゃうから。基準は自分の言葉で言い換えられるかどうかで、それができないときは同じ説明を繰り返さずに角度変える。これでもう始められるでしょ。
葉月
葉月
うん、あと一つだけ付け足したい。総括には「分かったこと」だけじゃなくて、莉緒が実際にどう言い換えたか、その言葉自体もそのまま残そう。そうしないと、言い換え基準を本当に守れたかどうか、あとで誰にも確かめられなくなるから。